私は学生時代はニュートリノの研究をしていました。
ニュートリノを知らない方向けに、ニュートリノとは何か、どんな性質があるのかをいくつか説明していきます。
ニュートリノとは何か
素粒子ニュートリノ
ニュートリノは素粒子の一種です。
素粒子とは、あらゆるものを構成する最小単位です。
原子を構成する電子も素粒子の一種です。
どうやってできるか
ニュートリノは原子核のベータ崩壊によって発生します。
具体的にニュートリノがセシウム137の崩壊によって発生する式は次のように書けます。
はバリウム137の準安定同位体、は電子(ベータ線の正体)で、がニュートリノ(厳密には反電子ニュートリノ)です。
ニュートリノの性質
電気的に中性
電子はマイナスの電気を帯びていますが、ニュートリノは電気を帯びていません。
このことを、電気的に中性といいます。
そのため、電磁相互作用することがありません。
滅多に反応しない
ニュートリノはベータ崩壊(弱い相互作用)にしか関与せず、滅多に反応しません。
よっぽど高エネルギーのニュートリノでない限り、地球を素通りできてしまいます。
それくらい反応が起こりにくいのです。
私たちは日々大量のニュートリノを浴びている
ニュートリノは宇宙から飛来したり、宇宙線によって大気中で発生したり、地球内部から発生したりと様々な場所から発生します。
身の回りで最も強力なニュートリノ発生源は太陽ですが、太陽から飛来するニュートリノの数は1平方センチメートルあたり、1秒間に約660億個です。(スーパーカミオカンデ公式ホームページ参照)
そのため、私たちは日々大量のニュートリノを浴びています。
しかし、前述の通りニュートリノは滅多に物質と反応しないため、人体に何の影響も与えずにすり抜けると考えて問題ありません。
まとめ
ニュートリノは素粒子の一種です。
ニュートリノはベータ崩壊に関与し、滅多に反応しません。
滅多に反応しないため、もちろん人体に対しても何の影響も与えません。
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