みなさん、楽器の手入れはちゃんとしていますか?
抜き差し管のグリスを塗りすぎたりオイルを注さなかったりすると、レバー(ロータリー)の動きが悪くなりますし、楽器を吹かない期間が長くなると全く動かなくなってしまうこともあります。
かくいう私も、しばらくメンテナンスを怠っていたせいか、ホルンの2番レバーの戻りが悪くなっていました。
ところが、調べてみると、原因は意外にも4番レバーにありました。
今回は、2番レバーの戻りを解消したレアケースを紹介します。
ちなみに、今回作業した楽器はヤマハのYHR-87Dで、 自分の所有物です。
他の型番でも同じことが言えるかどうかはわかりませんが、誰かの助けになれば幸いです。
まずは普通に注油してみた
ロータリーの動きが悪くなる原因の多くはオイルが十分にいきわたっていないことなので、まずはセオリー通りローターオイルを注すことに。
使用したのはヤマハのローターオイル。
ヤマハからはローターオイル、ロータースピンドルオイル、レバーオイルの3種類のオイルが販売されていると思いますが、私が初心者楽器講習会(2008年)で話を聞いた時には、「ローターオイルで全部に使える」とのことでした。
そのため、私はローターの軸受け部も、抜き差し管を抜いた直接注油も、レバーなどへの注油も、すべてローターオイルを使用しています。
実際、特に演奏上問題はありません。
依然として戻りが悪い
注油したもののやはり2番レバーだけ戻りが悪い。
押すときは問題ないし、素早くレバーを戻せば戻ってくる。
でも、ゆっくりレバーを戻したときに依然として自然に戻りきらない。
指で戻せば元の位置まで戻るのですが、何か引っかかっている(こすれている)ような感覚でした。
そうだ、ロータリーを分解してみよう
おそらくロータリーの中がさびているか砂などの異物が混入しているのだろうと予想しました。
ここで2つの選択肢が浮かびます
- リペアマンに修理してもらう
- 自分で分解して掃除する
1のほうが圧倒的に安全で確実です。
しかし、私は好奇心から、2の自分で分解して掃除することにしました。
紐の交換すらしたことないのに、いやむしろ紐の交換すらしたことないからこそやってみようと思いました。
ロータリーを外そうとした
レバーの戻りは強力だと聞いていたので、マウスパイプを保護するためにプロテクターを装着。
ロータリーキャップを外し、床にはいらない布を敷いて、その上に楽器を置きました。
そしていざ紐外し…。
特に問題なく外せました。
そして、ロータリーの真ん中のねじを外した時に気づきました。
あれ、普通に回る
この時点で、ロータリーの中に問題はないと確信しました。
じゃあもう一回紐結び直せばOKかな
と思いきや、その状態のままレバーを押したときに引っかかる感覚が。
ロータリーにつながっていないのになぜ?
よく見ると飛び出しているパーツがあり、そこにはこすれた痕がありました。
2番レバーの戻りが悪かったのは、レバーがここにこすれているのが原因のようでした。
しかし、このパーツは何だ?めっちゃ飛び出ていてヤマハにしては珍しく美しくないけど
4番レバーが外れかかっていた
実はこの部品、4番レバー(F/B切り替え)を止めているねじでした。
8 mm近く飛び出していたことになります。
おそらく、何かの拍子(レバーアクションのときか、楽器を拭いているときか、気になって回してみたときかはさておき)にねじが緩み、レバーアクションでどんどん抜けていったものと思われます。
確かに4番レバーのバネがずれているように見受けられました。
手で回してねじをはめ、4番レバーが正しい位置に来ていることを確認しました。
ストリングを巻きなおして完了
ストリングを巻くのも初めてでしたが、昔からギターの弦の張替えもやっていたので、ほどけにくいように結ぶという基本的な考え方は持っていましたし、3番ロータリーと同じ巻き方であることと、中学生の頃に顧問が紐の結び直しをする際に手伝った記憶を頼りに(ちなみに当時私の担当楽器はユーフォ)、無事巻き戻すことができました。
押しBだったのも原因かもしれない
2番レバーは問題なく戻るようになりました。
それにしてもこんなにねじが飛び出るまで気づかないなんて…。
いや、正確には、重さやバランスの調整用なのかなくらいにしか思っていませんでした。
もしかすると、私は押しBで楽器を使っていて、常に4番レバーを押しっぱなしで吹いているため、余計な力が加わっていたのかも。
ストリングの巻き方を会得した私は、ついでにF/B切り替えロータリーのレバーを付けなおし、押しBから押しFに変更しました。
この話は別の記事で書きます。
コメント
すごい!私もなってました、、、直せました
Eriさん
レアケースかと思いきや、起こりやすいのかもしれませんね。
直せたようで良かったです!