2023年度吹奏楽コンクール課題曲は個々の技量が問われそう

2023年度吹奏楽コンクールの課題曲の楽譜が送付されて1か月ほど経ち、様々な団体の演奏動画がYouTubeで公開されています。

それを聞いて、また、軽く合わせてみての感想などを書いていきます。

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課題曲I 行進曲「煌めきの朝」

課題曲と言えばマーチ、という人もいるでしょう。

比較的大きな編成向けに書かれているように見受けられ、ホルンはこの曲だけ4thまであります。

特徴

リズムパターンやメロディが複雑ということはないのですが、よくあるマーチといろいろと異なっています。

  • 中低音のメロディが繰り返されない
  • Trioでフラットが3つ増える(普通は1つしか増えない)
  • 最後にもう一度転調する

トランペットの難易度が高そう

ベルトーンがあったり最後の主旋律は1stトランペットだけだったりと、トランペットの負担がかなり大きいように思います。

音域も高い印象。

ホルンにとってはあまりおいしくないかも

ホルンについて言えば、音域はそれほど高くありません。

むしろ、前半の対旋律で下のC(ホルンで言うソ)が出てきます。

下のCは音域が低いうえにF管で演奏する、実は難しい音なので、ホルンに回さずユーフォとテナーサックスでやってほしかった…。

楽譜上休みはなく、だいたいリズムを刻んでいるので、個人的にはあまり面白みはないです。

(なかには「リズム大好き」という人もいるかもしれませんが…)

真面目にパート練習するのであれば、刻みのニュアンスやハーモニーをそろえるのがメインになりそうです。

課題曲II ポロネーズとアリア

2023年度課題曲の中で最も重厚感のある曲。

私はこの曲を聞いて、厳しい自然の中に建てられた西洋のお城の遺跡のイメージが思い浮かびました。

暗い曲調の部分は現代に残るさびれた様子、明るい曲調の部分は過去の華やかな暮らしの様子かなと感じます。

こういった曲を練習する際は、バンドのメンバーとイメージを共有しながら演奏すると、まとまりが出てくると思います。

アリアの部分は個々の力量が試される

中間部ではトランペット、トロンボーン、ユーフォニアムのソロがあり、特定の楽器に頼ったバンドだと大変かもしれません。

一応ソロではなくソリでも可となっているようです。

ホルンの音をどれくらい見せるか?

1曲を通して、ホルンのおいしい箇所がたくさんあります。

オーケストラの曲であればホルンの音色で吹くのですが、今回は吹奏楽曲で、他のパートと一緒の部分もあり、混ざる音色で演奏したほうが良いのかなと思います。

どれくらいホルンの音色にするか、バンドによって意見が割れそうな印象です。

コンクールで聞き比べるのが楽しみ。

課題曲III レトロ

秋田県出身の作曲家である天野正道さんによる曲ということで、音源が解禁される前から注目していました。

初めて曲を聞いたときの印象は「そう来たか!」という感じです。

特徴

課題曲としては珍しく、ドラムセットが使われています。

本当はエレキベースも使いたかったようですが、大会規定で使えなかったんだとか。

ポップスなので、いわゆる吹奏楽オリジナルの曲とは約束事が変わってきます

自由曲にポップスを選ばない限り2種類の奏法を練習することになるので、楽器を始めたばかりの学生さんにはかなり難しいのではないかと思います。

ただ、コンクールに向けてではなく、その他の演奏会に向けて練習するのであればありかもしれません。

装飾音符が難しそう

中間部のゆったりとしたテンポの部分は、トランペットやサックスのソロがありますが、オシャレに演奏できるかどうかがポイントになりそうです。

ホルンのキメどころははっきりしている

天野さんはホルンを目立たせてくれるので好きです。

この曲もキメ所がいくつか用意されているので、そこをしっかり決めてアピールしたいところ。

終盤にある早いパッセージは要練習ですね。

私は比較的指が回る方なのですが、しばらく練習しても厳しかったです…。

課題曲IV ペガサスの夢

特徴

8分の6拍子のマーチですが、聞いていてもそれほど8分の6拍子っぽくありません

1, 4拍目にしか音がない小節もあり、4分の2拍子っぽく聞こえます。

裏拍から入るのを合わせられるかどうかがキモ

8分音符2つ分休んで入るところがたくさんあるので、そこを合わせられるかどうかがポイントになると思います。

個々の技術はそれほど高くなくても、バンドとしてタイミングをしっかり合わせられれば何とかなるかなという印象です。

どの課題曲を選ぶか?

もしスクールバンドでやるなら、あまり技術に自信がない場合は課題曲IVの一択でしょう。

技術が伴っているなら課題曲Iか、自由曲の演奏時間との兼ね合いでIVか。

課題曲IIIは年配のメンバーがいる社会人バンドにはウケがいいんじゃないでしょうか(笑)

個人的には、自由曲の時間に余裕があるなら、ぜひ課題曲IIに挑戦したいかなという気持ちです。

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