純正律と平均律

吹奏楽をやっていると、ドミソの和音のミは音程を低めに、ソの音は若干高めにとるという話を耳にすると思いますが、これは純正律でハーモニーを奏でるということです。

一方、通常の音階はよっぽどのことがない限り平均律で演奏されることがほとんどです。

平均律と純正律は何が違うのでしょうか?

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平均律

※このページでは、平均律とは十二平均律のことを指します。

平均律は、半音階の音程 (音と音との間隔) が均等になるように、1オクターブを12分割して作られた音階です。

そのため、ドとレの間の音程とレとミの間の音程など、長2度(全音)の音程はどこでも一定ですし、ミとファの間の音程とシとドの間の音程など、短2度(半音)の音程もどこでも一定です。

また、半音2つで全音1つの音程と同じになります。

ピアノを含む鍵盤楽器は、平均律で調整されています。

純正律

純正律の話を始める前に、倍音の話をしましょう。

倍音

ピアノの音色とホルンの音色は違いますよね。

これは、含まれている倍音の比率が異なるためです。

倍音とは、出した音と同時に鳴っている、出した音の整数倍の周波数(振動数)を持つ音のことです。

例えば、ドの音を鳴らしたとすると、周波数がその2倍の音(1オクターブ上のド)や3倍の音(1オクターブ上のドの上のソ)などの音が同時に鳴っています。

このn倍の音が含まれる割合によって、人は楽器の音色を聞き分けることができるのです。

純正律

純正律は、この基準となる音の整数倍の音で構成された音階ということができます。

実はドの音の第5倍音であるミの音は、平均律のミと比べると13.7セント低くなります。

同じように、ドの音の第3倍音であるソの音は2セント高くなるなど、ほかにも平均律の音程からずれている音があります。

そのため、純正律で音階を演奏すると耳慣れない音階となり、気持ち悪い印象を受けます。

純正律の使いどころ

先ほど書いたように、ドの音を出したときには同時に倍音のミやソの音が鳴っています。

倍音のミやソの音は、平均律のミやソの音から少しだけずれているため、平均律でドミソの音を同時に鳴らすとわずかに”うなり”が発生します(「ゥワンゥワン」というようなものが聞こえます)。

管楽器は出す音の高さを微調整できるため、より透き通った和音を目指して、長和音(メジャーコード)の第3音(ドに対するミ)は低めに、第5音(ドに対するソ)は若干高めに演奏するのです。

(おまけ)チューナーには第3音用の目印がある

13.7セント下げるといわれても、どれくらいなのかよくわかりませんよね。

チューナーには第3音用の目印があるのですが、みなさんご存じでしたか?

下の画像は私が10年以上使っているチューナーです。

よく見ると真ん中以外にも三角マークがついていますよね。

チューナーの三角マーク

左側の三角マークが-13.7セントを表し、メジャーコードの第3音のときにはここに合わせます。

右側の三角マークは+15.6セントを表し、短和音(マイナーコード)の第3音のときにはここに合わせます。

まとめ

おおまかには、普段の音階は平均律、和音のときは純正律と考えておけばよいでしょう。

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