吹奏楽部でハーモニー練習をしていると、和音の第3音は弱く演奏するようによく言われます。
しかし、いつでも第3音を弱くしていいわけではありません。
今回は、第3音を弱くという言葉の意図と、どうすれば響きの良い和音になるかを書いていきます。
なぜ第3音を弱くといわれるのか?
根音の音量を超えないため
基本のハーモニー練習の場合、長和音(メジャーコード)を練習するかと思います。
メジャーコードは、根音(主音、ド)とその長3度上の音(第三音、ミ)、根音から完全5度上の音(第五音、ソ)の3つの音で構成されています。
第3音、第5音は根音があって初めて決まるので、第3音、第5音は根音の音量を超えないようにしないと、何の和音が鳴っているのかわかりにくくなってしまいます。
音程が合わないから
根音(ド)の第5倍音として、第3音と同じ音名の音(ミ)が鳴っています。
倍音として鳴っているミの音は、平均律のミの音と比べて13.7セント低いため、普段演奏しているミの音より低く演奏しなければなりません。
この、低く演奏するという点が難しいため、音量を小さくして目立たなくしようとしているのではないかと考えられます。
第3音の演奏の仕方
長和音なのか短和音なのか意識する
ハーモニーの第3音を演奏する際には、それが長和音(メジャーコード)の第3音なのか短和音(マイナーコード)の第3音なのか意識することが大切です。
なぜならハーモニーの第3音は、長和音か短和音かを決定づける音だからです。
長和音の第3音
先ほどお話ししたように、長和音の第3音は、根音の長3度(半音4つ分)上の音で、平均律より13.7セント低く演奏します。
短和音の第三音
短和音の第3音は、根音の短3度(半音3つ分)上の音で、平均律より15.6セント高く演奏します。
短和音の第3音は、長和音の第3音の場合と比べ、音量を大きく演奏します。
なぜなら、長和音のときは根音の倍音で同じ音が鳴っていますが、短和音のときにはそれがないからです。
周りを聞きながら演奏する
-13.7セントや+15.6セントというのはあくまでも理想的な場合のことで、一番いいのは、同時に鳴っているほかの音を聞いて、音量やピッチが心地よくはまるところを狙うことです。
まとめ
第3音を弱くという指示は、長和音として聞こえるようにするための一つの作戦でした。
しかし、第3音は長和音か短和音かを決定づける重要な音です。
複数人で音楽を奏でるときには当然のことですが、ハーモニーの第3音を演奏する際にも、周りの音を聞きながら心地よくはまるところを目指しましょう!
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