ホルンの音域はこれくらい【8つに分類】

ここ2週間ほど、アンサンブル用に某アニメーション映画の曲を1日2時間ずつくらいで2曲耳コピしたのですが、木管楽器の音域が分からず、「フルートって上第五線の音ってでるのか?」とか、「B♭クラリネットってこの辺の音域どんな音だっけ?」とか調べたり記憶を頼りにしたりして編曲していました。

おそらくホルンに対しても同じことを考えている人がいるんじゃないかと思い、私が思うホルンの音域表を作ってみました。

ホルンの音域
ホルンの音域を8つに分類
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合奏曲で使うことはほとんどない低音域①(実音F-A)

F管の開放で出せる最低音のFからその長3度上のAまでは合奏曲で使われることはまずありません

ネタで出させることはあっても、きれいに聞かせることを目的としたものではありません。

原理的にはレバーを使えばもっと低い音も出せますが、私はFより下は出せたことがない(出そうと練習したことはない)です。

ホルンアンサンブルの低音パートに振られる音域②(実音B♭-A)

B♭管の開放で出る最低音のB♭からその長7度上のAは、ホルンアンサンブルの低音パートに割り振られることがあります。

オーケストラの曲などだと、Fあたりまでは出てくることもときどきあります。

私は中学時代ユーフォ吹きで、「チューバの人が風邪で休んだら代わりに吹いてやろう」とか意味不明なことを考えていたため、高校でホルンを始めた時には比較的早い段階からこの音域は出せました。

ただし、通常の曲を演奏する際にはめったに出てくる音域ではないので、重点的に練習する人はごく少数でしょう。

吹奏楽部の基礎合奏で使う音域③(実音B♭-E)

ヘ音記号の第4線上のB♭からその増4度上のEは、吹奏楽部の基礎合奏で用いられる音域です。

基礎合奏のグルーピングだと、ホルンはトロンボーンやユーフォニアム、テナーサックスなどと同じグループとなり、これらの楽器と同じ音域で音階練習などを行う際に出てきます。

実際の曲でも2ndや4thにはCあたりまでは出てくることもあります。

基礎合奏で練習しているとはいえ、ホルンの楽譜上はドより下にあるため、意識の問題で音色が変わってしまっている人が多いように感じます。

それほど使う頻度は高くないため、基礎合奏の音階練習ではこの1オクターブ上を使うという団体も多いです。

③の音域以下だと、特殊奏法であるゲシュトップが一段と難しくなります。

ゲシュトップは音が低くなるほど金属的な音を出しにくくなります。

ドレミの音域④(実音F-A)

ト音記号のいわゆる下のド(F)からその長3度上のミ(A)は基礎合奏でもよく使う音域で、ずっと吹いていても疲れない音域です。

同じように基礎合奏で練習している③の音域と違い、ド以上なので意識や吹く回数の影響で比較的音質はいいです。

ただし、吹き込んでも鳴らしにくい音域ではあります。

音色のバリエーションが増える音域⑤(実音B♭-D)

吹奏楽でいうチューニングのB♭からその長3度上のDは、音色のバリエーションが増える音域です。

どちらかというとまだ低音側ですが、音色の表現も幾分つけやすくなります。

ただし、この間にあるCはB♭管だと音程が合わせづらいためF管を使うのですが、奏者はそこだけほかの音と雰囲気が変わってしまわないように練習しておく必要があります。

最も出しやすく表現がつけやすい音域⑥(実音E♭-B♭)

in Fで五線の真ん中のE♭からその完全5度上のB♭は、最も音が出しやすく表現もつけやすい音域です。

フォルテで吹くととても迫力が出ます。

ただ、上の音域は、あまり長く吹くとバテてしまうという人もいます。

大概のJ-POPが演奏できるようになる音域⑦(実音B-C)

第五線上のB(ドイツ音名だとH)やCまでは、高校生くらいであれば出せるようになると思います。(当時の私は外しまくってましたが…)

市販されている楽譜もだいたい上の音はこのCまでで収まるように書かれていることが多いです。

難曲を演奏するうえで必要となる音域⑧(実音C#-E)

五線より上のC#からEは難曲を演奏するうえで必要となる音域ですが、それなりの練習を要します。

どうせ音外すからトランペットにやらせろよとかいう人もいるかもしれませんが、ホルンだからこそ味わいのある透き通った音が出ます。

フォルテで演奏するにはおなか周りの力がそこそこ必要になりますが、盛り上がり感は半端ないです。

それ以上の音域(実音F-)

金管楽器は、原理的に音の高さに上限はないです。

ただし、高い音に行くほど倍音列の間隔が狭くなり、音を当てにくくなります。

ホルンアンサンブルだと、上のパートだと平気でその上のB♭とか出てくるらしいですけど…。

ちなみに私が曲で使用した最高音はF#でしたが、テンポ144の8分音符を一発だけfffで出すというものでした。

個人的には、⑧までの音域までであれば許容範囲かなと思っています。

【まとめ】ホルン奏者があまり苦労せず出せる音域とは

ホルン奏者が喜ぶ音域は、ずばり五線に接している音域です。

なお、ホルンのヘ音記号の音については、記譜法が2種類あります。

冒頭に掲載した図では、ト音記号のときと同じように音を移動させて(実音の完全5度上に)音符を書いています。

一方で、ロマン派や古典派などの楽譜は、慣例的に実音の完全4度下に音符が書かれています。

結果的に、2種類の記譜法で書かれた楽譜を比べると、見かけ上1オクターブずれてみえます。

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