ホルンの特殊奏法の一つにゲシュトップがあります。
右手でベルを完全にふさぎ、金属的な音を出す奏法です。
今回はこのゲシュトップ奏法について解説していきます。
ゲシュトップとは
音符の上に「+」が書かれている
ゲシュトップで演奏する音の上には「+」が書かれています。
ハイハットシンバルのクローズと同じ記号ですね。
中には英語で「stop」やフランス語で「bouche」と書かれていることもあります。
音色を変える
ゲシュトップの目的は、かたい金属的な音を出して、音色に変化を持たせることです。
特徴的な音なので、演奏効果は大きいです。
ミュートじゃダメなの?
通常のミュートでも音色が変わりますが、どちらかというとソフトな音になります。
ゲシュトップが指定されている場合は、金属的な音が求められます。
ゲシュトップのやり方
右手でベルを完全にふさぐ
右手を入れた状態から、手を曲げてベルを完全に覆います。
F管で記譜の半音下の運指を使う
ベルを完全にふさぐと、管の長さが短くなります。
この時、F管では半音高い音が出るようになるので、出したい音の半音下の運指を使います。
B管の場合も音が高くなりますが、なんと3/4音も変化します。
そのため、単純に運指だけで調整することはできません。
ゲシュトップが吹きづらい場合は、いくつか運指を試してみるといいかもしれません。
しっかり息を吹き込む
ベルを完全にふさぐため、抵抗が増します。
そのため、ゲシュトップをする際は、しっかりと息を吹き込みましょう。
ゲシュトップミュートという道具もあります
ゲシュトップは高音域だと比較的金属的な音を出しやすいですが、低音域だとなかなかいい音が出ません。
そこで、ゲシュトップミュートというものを紹介します。
これは、ベルに入れて吹くだけでゲシュトップの音色になるという優れものです。
実際、私も五線の下のEs(シ♭)でゲシュトップするためにお世話になりました。
手が小さくてふさげないという方にもおすすめです。
ちなみに、私が使用したゲシュトップミュートはトムクラウンのものです。
ただ、ゲシュトップが書かれている楽譜によっては、ミュートの着脱が間に合わない場合もあります。
できれば手でゲシュトップできるようにしたいですね。
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