今年は課題曲の楽譜が2月末から順次発送となったことで、課題曲の全体を知るのが例年と比べて数週間遅くなってしまいました。
私も3月に入って2回ほど合奏したので、その感想も交えながら、4つの課題曲について書いていこうと思います。
課題曲Ⅰ 祝い唄と踊り唄による幻想曲
特徴
日本の民謡をモチーフにした曲とのことで、どことなく和風な印象を受けます。
2度の音程が多用され、よくあるドミソの和音の作り方だけでは対処できません。
ところどころ現れる8分の5拍子や、8分の6拍子と4分の3拍子が交互に現れる部分などは、これまでに似たような曲をやったことがあるかどうかで取りやすさが変わりそう。
とても小さな編成で書かれていて、ホルンやクラリネットは2ndまでしか存在せず、フルートも1パートだけなんだとか。
慣れれば楽しいかも
ホルンとしては特別難しいわけではなく、ときどきメロディが割り当てられていて嬉しい。
後半のサックスやフルートとかけあう部分は、タイミングをとるのがちょっと難しいですね。
初めて聞いたときはちょっととっつきにくい印象でしたが、2回練習しているうちに案外良さそうな印象に変わりました
課題曲Ⅱ ステップ、スキップ、ノンストップ(順次進行によるカプリッチョ)
特徴
順次進行と書かれているように、音階を使って音楽がどんどん変わっていきます。
少人数のバンドが増えていることからフレキシブルの楽譜がたくさん出回るようになってきていますが、この曲もその影響を受けてか、バンドに合わせて任意の4パートで演奏するという箇所があります。
ここの楽器の組み合わせによっては、バンドの個性を見せられるのかなと思います。
音楽的には面白いけれど、吹いてて楽しいかと言われたらちょっと微妙…
音程をとる練習になるかも
ホルンにも音階で動く箇所がたくさんあり、全音や半音の音程(音同士の高さの幅)をとるいい練習になりそうです。
序盤に16分音符の下降音階があり、中学生にとってはちょっと難しいかも?
課題曲Ⅲ マーチ「メモリーズ・リフレイン」
特徴
「あー課題曲マーチだ!」と安心する曲(笑)
ただし、他の課題曲マーチと比べ、いろんな要素(対旋律やリズムの変化など)をこれでもかというくらい詰め込まれている印象です。
各要素内がそろったうえでそれぞれの要素を組み合わせないと、ガチャガチャしてうるさい印象になりそう。
冒頭のファンファーレが再現(リフレイン)するところは、作曲者のこだわりポイントでしょう。
大きな編成で書かれていて、この曲だけホルンは4thまで存在します。
役割を意識しよう
ホルンにもメロディや対旋律、裏打ちなど様々な役割が回ってきます。
ときには目まぐるしく役割が変わるので、自分が何の役割で、他のパートと比べてどれくらい目立つべきなのかを意識するのが大事になりそうです。
チューニングの音から始まる1オクターブのグリッサンドはやりやすいはず。
課題曲Ⅳ Rhapsody ~ Eclipse
特徴
独特な浮遊感のある曲。
全体的に音が長めで、ロングトーンやダイナミクスの練習の成果が出そう。
ブレスするポイントがちゃんと用意されているので、リリース(音を切る際の処理)にもしっかり意識するのが大事になりそうです。
eclipse(日食、月食)という言葉のように、天体のドラマが感じられますね。
単調にならないように
ホルンは基本的に伴奏です。
最初はハーモニーを伸ばすわけですが、楽譜に書かれたクレシェンドやデクレシェンドに従って、浮き沈みを表現するのが大事になります。
途中は8分音符で刻むことになりますが、こちらもダイナミクスの変化を他のパートとそろえるのが大事になりそうです。
どの課題曲を選ぶか?
少人数のバンドはⅢ以外かなと思います。
ハーモニーにものすごく自信があるバンドだと、2度音程が多い課題曲Ⅰをやるのは練習時間が増えてちょっともったいないのかな…。
課題曲Ⅱはバンドの色を出すのがフレキシブルの部分だけになりそうで、それでもいいなら選択肢に入るかもしれません。
課題曲Ⅲは人数がそろっていたり、自由曲の時間を長くとりたい場合に選びそう。
個人的には課題曲Ⅳで、コンクール練習しながら宇宙のロマンを感じたいですね(笑)
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