先日、日向坂46の7枚目シングル「僕なんか」のMVが公開されました。
3回目のひな誕祭のアンコールで初披露された時は微妙な印象を受けましたが、じっくりと聞くことで見方が変わりました。
初披露時の印象
実は私は、初披露はリピート配信で視聴しており、新曲のタイトルが「僕なんか」であることは知っていました。
なんとなく暗そうな曲名なので、日向坂っぽくないなという印象で初披露を視聴しました。
冒頭のピアノを聞いた時点では、「手紙~拝啓 十五の君へ~」を思い出しました。
終わった後も、「あえてそれを歌詞にする必要なくない?」という印象でした。
しかし、それは歌詞を断片的に解釈していたからで、MVが公開されてじっくり聞くことで、次第に考えが変わっていきました。
歌詞を読んで
全体としては、前向きな決意
歌詞については、全体を見ると前向きな決意になっていることが分かりました。
ライブのアンコールで聞いたときには、現状を嘆いたり過去を悔んだりするだけで終わっているんじゃないかと感じていましたが、そこはしっかりと未来につなげていました。
昔の自分と重なるものがあった
生きるのに忙しくて
高校時代、「今は部活が忙しいから…」とか言って一歩踏み出さずにいる自分がいました。
友人にその話をしていたら、「そんなこと言っていたら、学生の間は勉強が忙しいから、社会人になったら仕事が忙しいから、って言い続けることになるよ?」と言われました。
高校生ながらハッとさせられました。
逃げる言い訳でしかなかったことに気づきました。
手の届かないマドンナ
大学生のころ、人気者を好きになったことがあったんですね。
でもやっぱり、自分よりふさわしい人がいるだろうとか思って、前に進めなかったという思い出があります。
「君」はひとり?
見た目ではない その性格にどんどん惹かれて
と
鈍感でごめん 一目惚れとかしたことないから
は1番と2番の同じ部分の歌詞ですが、これらの状態が両立することってあるのだろうかと疑問に思いました。
1番と2番の「君」は別人なのでは?
同じ失敗を繰り返してしまっているということでしょうか。
歌詞と音楽
抑えきれない想い
冒頭のピアノに続いて、「君を愛す資格がない」と歌が始まりますが、そのあとに続く「僕なんか…」辺りから始まる方が、曲の盛り上がり方的に自然な感じがしませんか?
これは、そこまで気持ちをこらえきれずにあふれ出てしまったと解釈できます。
Aメロは難しい
Aメロは言葉の数が多く、歌うのが難しいなという印象です。
サビ前の休みが長い
日向坂の楽曲だとせいぜい3拍休んでサビに入るか、ほぼ間を空けずにサビに入ることが多いですが、この曲はなんと6拍も空いています。
これは、ためらいというか、言葉を絞り出すというか、そんな印象を与えるのに効果があるように思います。
サビは音が長く歌いやすい
サビは音が長く、音の並びも自然な感じなので、歌いやすいように思います。
3連符や付点になっていないのも、歌いやすさの一つかもしれません。
3拍目スタート
これまた珍しいことに、サビのメロディは3拍目スタートになっています。
これも、言葉を選びながら言おうとしたら遅れてしまったという表現のように思えます。
また、4拍目裏から1拍目にかけて音が伸びる(アンティシペーション)ことで、投げ捨てるような印象を与える効果があるようにも思います。
小坂さんのソロパートで現実に引き戻される
力強く深みのある歌声で歌唱が続きますが、途中で小坂さんのソロパートが入ります。
彼女の声が聞こえてくることで、それまでの場面から一気に現実に引き戻す効果があるように思います。
ちょっと可愛すぎるので、個人的にはそのまま深みのある感じで良かったと思いますが…。
その後に続くW佐々木やK村ペアとの歌声のギャップがすごい…。
MV
抽象→具体
1番の始めはまっさらな背景で、単純な球や直方体などが現れるだけでしたが、2番ではそれが具体的に街を作り出します。
編集している小坂さんの考えがはっきりとしたものに変わったことを意味しているのでしょうか?
小坂さんと合流
小坂さんの生み出した世界を歩く日向坂メンバーたちが交差点に差し掛かったとき、小坂さんと合流します。
分岐点に立った時、お互いに必要としていることを感じたのでしょうか?
交差点はおそらく、グループを離れることを決めた渡邉さんの存在を象徴しているのでしょう。
(次世代のキャプテン候補だと思っていたので、彼女の卒業発表はかなり衝撃でした)
消えてもなお残るもの
MVの終盤で街は消え去りますが、それでも残り続けるのが、交差点と空です。
ただ、この空はいつものような青空ではなく、夕焼け空です。
時が経って交差点までたどり着いた、ということを表しているのでしょうか?
横一列
交差点で横一列に並ぶ部分も印象的です。
横一列に並ぶメンバーの中に小坂さんが加わることで、「一緒に歩いて一緒にたどり着」いたことを表しているようにも思います。
フロントメンバーのダンスは1番でも
2番では小坂さんとフロントメンバー4人が順にダンスしていくのが印象的ですね。
若干振付は違うようですが、1番でも小坂さんとフロントメンバーで組み合わさるダンスをしているように見えます。
離れていても気持ちはつながっているという感じでしょうか。
手をつなぐ仕草が多い
メンバー同士で手を合わせるということはこれまでの楽曲中でもありましたが、今回は特に象徴的に描かれているように思います。
仲間や支えてくれる存在というものを感じさせます。
デジタルズーム?
一か所だけなぜか解像度が低いところがありました。
撮影時のカメラによるズームではなく、編集時の映像の拡大という感じです。
何か意味があるのかと考えましたが、よく分かりませんでした。
見るたびに新しい発見がある
見方や聴き方を変えると、毎回新しい発見があります。
転換期に発表されたこの楽曲は、日向坂46にとって、特別な一曲になることでしょう。
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