「もっと大きい音出して!」
ホルン奏者が言われることの多い言葉の一つです。
特に、ホルンだけほかのパートと異なる動きをする際によく言われます。
今回は、音量を大きくするにはどうしたらいいか、考えていきたいと思います。
音量が小さくなってしまう原因
ベルが後ろを向いているから
これはもうどうしようもないです(汗)
ホルンは、かつて狩りのときに後方に合図を出す目的で使われていた角笛が原型となっているため、ベルが後ろを向いています。
そのため、お客さんがいる前方では、実際出した音量と比べてどうしても小さくなってしまいます。
右手がベルに入りすぎているから
手が小さい人によくあるパターンです。
また、大人になって手が大きくなった人でも、中学生の頃のくせが抜けずに、右手の入れ方がイマイチな場合があります。
ホルンは西洋で生まれた楽器のため、日本人の体型に合っているとは言いがたいです。
ホルンの重量は2.5kg程度ですが、その重さを支えようと手が入りすぎてしまうことがよくあります。
ホルンを構えて始めのうちは大丈夫でも、疲れてくると次第に手が奥に入りがちです。
音が汚くなって怒られるから
ここからは気持ちの問題です。
音量を出そうとすると、音色が変わるでしょう。
それは当然のことで、正しい方向に音色が変化するのは問題ありません。
しかし、間違った方向に音色が変化すると、耳に痛い音になってしまいます。
音色がどう変化するかは、息の使い方にかかっています。
自信がないから
ホルン奏者に限らず、誰だって、失敗をおそれていたら縮こまってしまいます。
- このタイミングで合っているかな
- 音程あっているかな
- 音外さないかな
こんな心配が心の大部分を占めていたら、大きな音を出せるはずがありません。
大きな音で吹くために大事なこと
思っているより大きな音を出して大丈夫
経験が浅いうちは、どれくらい音量を出していいかわからないかもしれません。
「こんなに鳴らしちゃっていいの!?」と思うくらいの音量で吹いてみましょう。
自信がなければ練習あるのみ!
ちょっとでも練習しているのと、全く練習しないのとでは全然違います。
練習中1回でも成功したなら、あなたには成功させる能力があるということです。
大音量の練習方法
息の使い方を変えてみる
息の吸い方
たくさんの息が必要です。
腹式呼吸を意識せず、たっぷりブレスをとりましょう。
息の初速
音の出始めから大きな音にするには、しっかりと息を加速させる必要があります。
爆音練習
私が学生の頃にトロンボーンの先輩に教えてもらった練習を紹介します。
その名も「爆音練習」。
やることは単純。
とにかく自分の出せる最大音量でロングトーンする
これだけです。
- 音色は全く気にしません
- 音程も大きくずれなければ気にしません。
すると、楽譜にフォルテ系の音が出てきたとき、いつもより楽に大きな音が出せるようになっています。
私はこれに若干アレンジを加えた練習をしていたのですが、効果は絶大でした。
散々大きな音を出そうとしてきたけど…
練習の時は音量が小さい、もっと出せと言われていても、いざホールに行ってみると案外聞こえるものです。
本番のホールと比べて、練習室はあえて音が響かなく鳴っていることが多いためです。
ですから、あまり躍起になって大音量ばかり目指す必要はありません。
必要とされたときに、適切な音量で吹けるようになりたいですね。
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