音色の追求は、楽器奏者の永遠の課題です。
特にホルンは音色の幅が広く、柔らかい音でとか、太い音でとか、様々な要望を言われます。
楽器を始めたての頃は、とにかく曲が吹けるだけの音域を出すことに必死で、出ている音の音色に気を遣う余裕はありません。
音色が気になりだしたということは、確実にレベルアップしている証拠です。
では、音色を変えるにはどうしたらいいのでしょうか?
出したい音色を見つける
一番大事なのは、出したい音のイメージがあることです。
全国大会常連校がうまいのは、身近な先輩がお手本となり、自然とイメージ作りができるからです。
何をお手本にしたらいいかわからない、という場合は、次のような手段が挙げられます。
様々な楽団の演奏を聞いてみる
プロ、アマチュアを問わず、様々な楽団の演奏を聞いてみましょう。
その場の空気感も感じられるので演奏会に足を運んでみるのが一番ですが、CDやネット上の音源を探すのもありです。
吹奏楽、オーケストラ、アンサンブルなど、特定のジャンルに絞らずに聞いてみましょう。
特に、アンサンブルは個々人の吹き方がよくわかるのでお勧めです。
自分と似た音色のプロ奏者を見つける
どんなことであっても、あまりに自分の現状とかけ離れたものを目標にするのは好ましくありません。
その溝を埋めるための過程が想像しにくいからです。
いくらか演奏を聞いたら、その中で、「この人の音ならまねできるかも!」「なんか自分の音と似てる!」という音色を最初の目標にするのがいいかと思います。
ちなみに、私が初めて「この音ならまねできるかも!まねしたい!」と思ったホルンの音色は、YouTubeで見つけたドラクエの金管五重奏でした。
音色を変えるコツ
イメージができたら、その音を目指していろいろと試してみます。
何はともあれ息はたっぷり
食材の味付けをするときに用意するものは何でしょうか?
塩?コショウ?計量スプーン?
もちろんそれも用意するかもしれません。
しかし、絶対に外せないのは食材そのものです。
音を出すときの食材は息です。
十分な量の息を用意して味付けしていきましょう。
ロックを外す
具体的な方法を2つ紹介します
あごのロックを外す
音がこもってはっきりしない場合は、「ウ」の口になりすぎていると思います。
「あごが自由に動いていいんだ」と意識すると、息が通りやすくなり、音色が明るくなると思います。
口の中のロックを外す
音が荒れてしまう場合は、口の中が狭くなっていると思います。
上あごがもっと上に動けるようにしましょう。
あるいは、人によっては舌を下げるという表現のほうが分かりやすい人もいるようです。
そのうえで、上あごの柔らかい部分に息を当てるつもりで吹くと、ふくよかな、柔らかい音が出ると思います。
ホルンは右手の入れ方も影響する
ホルンの場合は、右手の入れ加減によって音色も大きく変わります。
ゲシュトップという特殊奏法もあるくらいです。
ベルをふさぎ気味にすると、より角がとれた音に、逆に開け気味にすると、はっきりとした音になります。
終わりなき、音色の追求
曲によって、また指揮者によっても求められる音色は様々です。
そのため、楽器奏者は日々、音色を研究します。
「こんな音どう?」と演奏で提案できるのが、楽器奏者の楽しみの一つです。
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